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ハードコンタクトレンズ装用者に正常眼圧緑内障が多い?

[2005.05.19]
先日、当院に受診されている正常眼圧緑内障(NTG)の患者様のカルテを見直す機会がありました。見直していて驚いたのですが、当院で私が診させて頂いている正常眼圧緑内障の方の約半数はコンタクトレンズ装用者で、そのほとんどはハードコンタクトレンズ装用者でした。これは色々な要因が重なって起こった現象だと考えられます。
1)正常眼圧緑内障は近視の方に多く、これは近視だと眼球が長く薄くなり、視神経乳頭周りの構造が脆弱なため、同じ眼圧でも視神経が障害されやすいためと言われています。ハードコンタクトレンズ装用者は、近視の方が多いので、どうしても正常眼圧緑内障が多くなると思われます。近視が強いほどハードコンタクトレンズをずっと使い続け、また近視の強いほど視神経も脆弱になるため、よけいにその傾向が助長されます。
2)10年位前までは、ハードコンタクトレンズから始める方が多数を占めていました。現在は、若い世代は使い捨てソフトコンタクトレンズから入る事が多く、ハードコンタクトレンズ世代は高齢化(といっても35歳以上)しています。その年代以降に正常眼圧緑内障が多いため、このような結果になっています。
3)私がコンタクトレンズと緑内障の両方を専門にしているため、どうしても集まってきてしまいます。他のクリニックではこのような傾向は少ないはずですし、そうあって欲しいのですが。
いずれにせよ、ハードコンタクトレンズの装用を続けている40歳代以降の方は、正常眼圧緑内障の危険性も高いので、かならず眼科での眼底チェックを受けて下さい。安いからと言ってリテーラー(安売りコンタクトンレンズ専門店)などでずっと買っていると、眼科医以外の医師の診察では眼底は判りませんから、見逃される可能性も高くなります。ハードコンタクトレンズを買い換えるとき、先生に「私は緑内障の可能性はあるのでしょうか?」と聞いてみれば、眼科医なら視神経のチェックをちゃんとしてくれるはずです。
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