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一番眼に良いコンタクトレンズ

[2005.04.07]

コンタクトレンズ装用をしている患者様に、よく受ける質問があります。
「一番眼に良いコンタクトレンズは何ですか?」
それは難しい質問ですし、一言で答えられる訳ではありません。なぜかというと、一つのコンタクトレンズで患者様に必要な「ベスト」の条件を満たすことができないからです。良いコンタクトレンズの条件は次のようになると思います。
1)アレルギーが少なく、汚れにくい。もしくは使い捨てできる
2)ドライアイが出にくく、乾燥しにくい
3)酸素透過性が良く、角膜内皮の減少や新生血管侵入などの低酸素症状がでにくい
4)ハンドリングが良く、出し入れや洗浄、メンテナンスが簡単
5)矯正視力が良い。乱視があっても補正ができる
6)装用感がよい
7)価格が適当である
「眼に良い」というのは1~3あたりを特に示すのでしょうが、その人によって重要な条件が異なります。アレルギー要因があって、レンズが汚れやすかったり、痒みや朝の目やにがおおい人なら、1)が一番重要ですので、毎日使い捨てタイプのソフトレンズが一番良いレンズでしょう。逆にドライアイ要因があったり、長い間コンピューター作業をする人なら、2)が重要です。現在一番乾燥感が少ないのは、超高酸素透過性のシリコーンハイドロゲルレンズ(Oアキュビューオアシス、バイオフィニティ)だと思いますので、それがベストでしょう。3)の要因を重要視しなくてはならないのは、装用時間が長く角膜に血管が侵入していたり、角膜内皮がダメージを受けていたりする場合でしょう。その場合はシリコーンハイドロゲルレンズか高酸素透過性ハードがベストになります。
それ以外の要因4~6まで入れて、いわゆる「コストパフォーマンスの高い、バランスの取れたレンズ」となれば、2週間使い捨てソフトレンズや中酸素透過性ハードレンズの得点が高くなります。
「一番目によいレンズは何ですか?」と聞かれたら、私は次のように答えます。「それぞれ一長一短がありますので、一概に言えませんね。ちょうど、イタリア料理と中華料理、どっちがベストか決めるようなものでしょう。その日にあなたがどっちを食べたいかによって、ベストは変わりますし、お互いまったく別のものなんですよ。」
「ただし、性能からいえば、ひとつの究極はアキュビューオアシスやバイオフィニティのようなシリコーンハイドロゲルレンズでしょうし、もう一つはワンデータイプのソフト。対極に高酸素透過性ハードでしょうね。」

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