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コンタクトレンズの大敵-1 アレルギー性結膜炎

[2005.07.14]
私はコンタクトレンズをしている患者様に必ず聞くことがあります。『レンズをしていて、眼が痒くなりませんか?そして、乾きませんか?」コンタクトレンズの装用を妨げる二大合併症、アレルギー性結膜炎とドライアイがあるか、聞いているんです。今回はそのうち、アレルギー性結膜炎についてお話しましょう。
皆さんはアレルギー性結膜炎というと、花粉症など「痒い」イメージをもたれると思います。確かにかゆみが一番はっきりした症状ですが、実際には「レンズが曇る」「レンズが引き上がってずれる」「朝、ねばっこいメヤニが多い」「ごろごろする」等という症状も多いのです。また、自覚的には「痒くないです」と言っておられても、上眼瞼を裏返すと、さまざまなドラマが(笑)見受けられるのです。

これくらいなら可愛いものです。瞼の裏の結膜がぷつぷつと反射しているのがわかりますね。

フルオレセインという色素で染めると、小さいぶつぶつ(乳頭)がよく判ります。

これくらいになると、中央部の乳頭はかなり大きく、気持ち悪くなってきました。こうなると目やにや痒みなどの自覚症状がはっきりしてきます。

こうなると、ご本人に見せても「え~!気持ち悪う~~!」と絶句されてしまいます。こっちから見てても気持ち悪くて、いくらきれいな女性でも「百年の恋も冷める」という状態ですね。ふつうはひどく痒く、かつレンズがすぐに曇るのですぐ眼科を受診してくださると思うのですが、これでもまったく平気の平左で「そういえば少しレンズ曇りやすかったですう~」程度の方もおられるのでびっくりしてしまいます。
下の二つの状態なら、すぐソフトコンタクトレンズは中止してアレルギー性結膜炎の治療が必要です。それだけではなく、コンタクトレンズの種類の変更も必要になります。コンタクトレンズについたタンパク質などの汚れが原因になっており、それがまぶたの裏をこすって炎症が起こり乳頭ができ、そこからタンパク質(=メヤニ)やいろいろな毒性物質が産生されレンズに沈着する、それがまたまぶたの裏をこする...という悪循環になっています。それを断ち切るにはコンタクトレンズをどんどん交換することが必要になります。そういう意味で、一番良いのは毎日使い捨て型ソフトコンタクトレンズ、その次は2週間交換型、1月交換型、その次が酸素透過性ハードコンタクトレンズ、一番駄目なのが通常型ソフトコンタクトレンズになります。まずコンタクトレンズを中止するのが一番ですが、どうしても無理な場合は、毎日使い捨て型ソフトコンタクトレンズの上から点眼をして炎症が治まるのを待つことがあります。その後も一度強いアレルギー性変化が起きると、使い捨て系のソフトコンタクトレンズしか出来なくなることが大部分です。
そうならないためにも、定期検診を受けて、眼瞼の裏を診てもらうようにしましょう。早期発見すれば、毎日使い捨て型ソフトコンタクトレンズまで行かずとも何とか抗アレルギー剤の点眼の併用で2週間交換型が使える程度で納められることもあります。
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