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サークルレンズ(黒目拡大レンズ)

[2005.11.12]
最近、サークルレンズといわれるレンズが登場してきました。これは黒目(角膜)の周囲に当たる部分に黒いリングを着色した、ソフトコンタクトレンズです。日本で現在認可されているのは毎日使い捨てタイプのワンデーアキュビューディファインのみです。
このレンズはまず数年前から韓国で登場してきました。通常型ソフトコンタクトレンズに着色したものでしたが、確かに東洋人の茶色の虹彩では、かなり黒目が拡大されてくっきりするので人気が出ました。しかし、通常型カラーソフトレンズの例に漏れず、酸素透過性が悪かったり表面の色素層がでこぼこしていて、アレルギーや角膜びらんなどの合併症が多発していました。
そこで今年、ワンデーアキュビューの素材とデザインを使ったワンデーアキュビューディファインが登場してきました。色素層がサンドイッチされた構造で、表面が滑らかであり、かつ薄型で酸素透過性が高く、ワンデータイプのためアレルギー性結膜炎が起こりにくいと考えられます。実際、当院ではワンデーアキュビュー5に対してワンデーアキュビューディファイン1の割合で売れていますし、大きな合併症は認められていません。
ただし、その個人差があります。以下に例を示します。

これをフラフープ現象と言います。これは格好悪いし、はっきり異常な感じに見えます。こうなると処方は出来ませんので、諦めてもらう事になります。

標準的にはこれくらいなのが普通です。本来の角膜より少しだけ拡大した感じになりますが、境界がくっきりするので、かなり印象が変わります。

これくらい効くと、かなり黒目が大きくなった感じがするようです。すごく喜ばれます。
以上に示したように、その人の元々の角膜の直径により、かなり効きが異なります。又、あまり不自然ですぐ判るほどの拡大はしていません。メーカーも「仕事に付けて行っても違和感の無い大きさ」と称しています。
これで「効きが甘い」と言って、日本で認可されていない韓国製レンズを使用して、ひどい角膜障害を起こした例を2例経験しました。レンズケアがしっかりなされていないのが原因ですが、無認可のものを個人輸入して使用するのは止めて欲しいものです。いくら「自分でリスクを負うから」と言っても、その治療には皆さんから支払われている健康保険料を使っているのですから。
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