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「視神経乳頭陥凹 要精査」 続編

[2013.03.28]

みなさん、こんにちは 副院長の久保田泰隆です。
「視神経乳頭陥凹 要精査」
人間ドックで指摘をされて受診される方が結構多いです。最近の患者さんは事前にネット等で自分なりに下調べをして受診される方が多いですね。
イワサキ眼科医院のブログで一番アクセス数が多いのが同タイトルのブログです。リンクをはっておきますのでまずご覧ください。
これは、2011年に私が書いたものです。数年たてば検査法も新しくなっていきますよね。そこで最新の検査方法について続編としてお知らせします。
緑内障の患者さんって自覚症状で見えにくくなって自分から受診して見つかるよりも、人間ドックやたまたまの眼科受診で視神経乳頭の形状を見て発見される方が圧倒的に多いです。
40才を過ぎればおおよそ30~40人に1人は緑内障にかかっているという疫学調査もあります。
同内容ですが、写真付きのブログをイワサキコンタクト白川にもアップしていますのでそちらの方がわかりやすいかも?
http://blog.goo.ne.jp/shirakawa_iwasaki/e/6fcaf20f964290764fa9c40b2f01b806
では、「視神経乳頭陥凹 要精査」と指摘を受けたときにどういった眼科を受診すればいいかおススメポイントを書きます!
1)視力検査ができる。(たいがいどこでも可能です)
2)眼圧検査ができる。(これもどこでも可能ですが緑内障患者さんは圧平式眼圧検査(アプラネーション)ができる眼科医に診てもらうことが望ましいです)
3)眼底写真が撮影できる。できればレッドフリーモードで撮影できる機械が望ましい
4)静的視野検査が可能である。
ここまでは大概の眼科で可能です。
ここからがより詳しく緑内障の検査をするための検査ですが施設によって可能な診療所、できない診療所があります。
**できれば(5),(6)の検査ができる診療所の方が詳しく検査ができますよ**
5)動的視野検査が可能である。
6)OCTの検査機器がある 。
網膜(視神経乳頭形状)の異常と視野検査の異常が一致することが何よりも緑内障の診断に大切です。
つまり視野異常の有無だけでなく、視神経および周囲の網膜の形状の解析をいかに正確にできるか?ということがポイントですね。
今までは眼底写真を読影する医師によって判断がまちまちなところもありましたがOCT検査をすることによってより正確な診断が可能となりました。
それから、視野検査についても書いておきますね。視野検査の方法にもいくつかあるのですが代表的な検査が静的視野検査と動的視野検査です。
静的視野検査は初期の緑内障症状を見落とさないための検査です。正常人の視野(見える範囲)は鼻側に60°、耳側に90°程度あります。その視野の広がりの中で中心30°だけもしくは10°だけを調べることが可能です。非常に細かく調べることが可能な検査ですが、これだけの検査では周辺部位の視野に異常があるかとうかまではわかりません。
そこで周辺部の視野異常の有無を検査できる動的視野検査(ゴールドマン視野検査))を併用して検査することでより詳細な検査が可能になります。
もうひとつお伝えしたいことがあります。それは、視野検査は大切な検査であり緑内障の進行の程度を把握するのに必須な検査ですが、最大の問題点は自覚的な検査であり検査の度に結果にばらつきがあり再現性が100%ないことです。何回か検査を重ねていき初めて結果に信頼性がうまれます。被験者(患者さん)によっても上手に検査ができる方もあれば何回か検査をしてもなかなか上手にできない患者さんもあります。
しかしOCT検査は客観的な検査ですのでしっかり固視灯をみつめておくだけで再現性のあるしっかりしたデータがとれます。
自覚的な検査と他覚的な検査をつきあわせることでより信頼性に高い検査結果が得られる訳です。
* 緑内障は早期発見・早期治療が大切と言われていますよね。当院ではさらに早期管理ということを患者さんに伝えています*
緑内障のリスクファクターのある方や疑いのある方、すべてが治療対象ではないと思います。しかし早い時期より緑内障治療に精通した眼科医の管理のもとで定期検査を受け治療のタイミングを逃さないことは必要ですよね。
*特殊検査のコストと検査時間について記載しておきます。(H25.3現在 1点10円で計算 1割負担の方は点数x1円 3割負担の方は点数x3円の窓口負担です)
静的視野検査  両眼で580点 検査時間15分程度
動的視野検査  両眼で390点 検査時間20分程度
OCT(眼底三次元画像解析) 200点 検査時間5分程度
わかりにくいことは是非とも診察室で質問してください。

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