第70回日本臨床眼科学会に行ってきました
11/3-6の4日間、京都国際会館にて第70回日本臨床眼科学会が開催された。眼科の学会では日本最大だと思われ、日本全体での眼科医が15000人程度のうち、1/3は出席するようだ。私は休診にしなくてよい11/3(木)と11/6(日)のみ参加してきた。今回は講演が無かったので、気楽だ。
11/3文化の日の朝7時半、自宅のある天満橋から京阪電車で出町柳に。そこからタクシーで学会場に。午前中は緑内障を、ランチョンセミナーは私にしては珍しく網膜静脈閉塞症のセミナーを聞く。
お弁当はなかなか豪勢だ。
専門外だがよく外来で遭遇する静脈閉塞症は、今までなら経過観察をして視力低下がはっきりしてから光凝固術だったろうが、現在は初期から抗VEGF薬の眼内注射が良いようだ。当院でやってくれていた久保田泰隆先生はもう来られていないので、今のところ専門家に紹介することになりそうだ。
午後からはコンタクトレンズをとりまく諸問題のセミナー。でもそれを中座して国際会館の上層階にある控室に向かう。「アキュビュー」シリーズのレンズで知られるジョンソン&ジョンソンの社長が交代するので、その挨拶に伺った。
前社長のDaveは8年間在任。その間には不便な茨木の白川分院(現くぼた眼科)までわざわざ会いに来てくださったような、現場を回るのが楽しみなフットワークの軽い社長さんだ。今度の新社長海老原さんは、外資系らしいバリバリのキャリアウーマンで、馬力のある女性社長だ。お二人の今一番の心配は、当院でも先行販売しているワンデーアキュビューオアシスの事だ。
「どうでしょう?」
と二人が口をそろえて言うので、
「大丈夫ですよ。プロダクトとしては素晴らしいし、乾きにくくて装用感もいい。高いけど。」
三人で大笑い。
「でもトゥルーアイとの違いは分かってもらえると思いますよ。その分高いのは仕方ないでしょう。ベストの物を求める患者さんのおられる当院なら、ある程度出ると思ってますよ。」
お二人ともホッとしていた。
せっかくなので三人で記念写真を撮らせていただく。
夕方、出町柳から京阪特急で帰ろうとしたら、そばの看板がオイデオイデしている(笑)駅前の「大山そば 響」に入り割子そばを注文。大山の蕎麦を使っているそうだが、あまりにそばがおいしく、「大山鳥のあたたかいおそば」が最後の一人前で、それで今日はすべて終わりと聞いて、
「じゃ、その鳥そばを!」
私が最後のお客になった。おかげで帰りの京阪特急では熟睡(笑)
11/6日曜日。
朝7:45からのモーニングセミナーがマイボーム腺の講演だったので、どうしても聞きたくて6時半に家を出る。また京阪電車で出町柳に。9時過ぎまで勉強したあと、地下鉄に乗り京都駅に。以前から行きたかったけど、人出が怖くて行けなかった京都鉄道博物館に向かった。前身の梅小路蒸気機関車館は1975年の開館から何度も通ったが、この5年くらいは忙しくてなかなか訪れられなかった。それまで蒸気機関車ばかりだったのを、現代までの車両も入れて拡張リニューアルというところだ。10時過ぎに付いたのだが、エントランスには長蛇の列!びっくりだったが思ったよりスムーズに10分ほどで入場できた。
子供も大人も最初にある新幹線とか特急電車、そして運転シミュレーターに群がるのだが、私の興味はやはり蒸気機関車。その中でも一番大好きなC55 1に向かう。
何度見ても直径1750ミリのスポーク動輪は美しい。
しばらく扇形機関庫の中でいろんな機関車を見て、今回新設の機関車整備棟に向かった。ここでは現役復帰を目指してD51 200が分解されている。
見とれていると、年のころ70-80台と思われる男性の団体がじっと見ておられる。
「このカマ(蒸気機関車のことを現場の人はこう言う)は調子よかったなあ。」
「蒸気の上がりが悪くって大変だったよなあ。」
この会話は蒸気機関車の機関士さんたちのはずだ!
「すみません。みなさん、元機関士さんですか?」
「うん、そうだ。中津川機関区(岐阜県中津川市)だ。」
やっぱり。D51 200は最後には中央西線(中央本線の西部)に配属されていたので、間違いない。
「このD51 200は調子の悪いカマだったんですか?」
「いやいや。キリ番だからかしっかり作ってあって、調子良かったよ。だから保存機に選ばれたんだろ。蒸気の上りが悪い(=調子が悪い)のは402号機の話だわ。」
「そうなんですか。良い話を聞かせていただき、ありがとうございました。」
皆さん、青春から壮年を蒸気機関車と一緒に過ごされた方たちだろう。その機関車がまた走り出す。どういう風に感じられるのだろうか?そこまで聞く時間が無かったのが残念だ。
いろんな展示を見て、お昼はせっかくなので妻と河原町四条で落ち合い、鴨川沿いのイタリアンで昼食を共にした。
しばらく鴨川沿いを散歩した後に今出川から京阪で帰宅した。
美しい晩秋の京の夕暮れ。
小旅行の気分だった。