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CLユーザーの最後の拠り所 その1 円錐角膜

[2019.07.11]

当院には他院でどうしても解決できなかった、難しいコンタクトレンズ処方の方が来られます。開院から60年、当然医師も検査員もすべて代替わりしていますが、コンタクトレンズ処方のノウハウはずっと蓄積され継続しています。大阪の「ミナミ」ではコンタクトレンズに関しては一番だと自負していますし、実際他院から当院に転職した検査員やORTは、異口同音に「ここのレベルは違う」と言ってくれます。私は当院がコンタクトレンズユーザーの大阪ミナミでの最後の拠り所であるように努力してきたつもりです。今回はどのような方が対象になっているかのお話しをさせていただきます。

 

円錐角膜とは角膜が円錐形に突出して、眼鏡などで矯正できない不整乱視が起こり、視力が落ちる病気です。まずはハードコンタクトレンズを処方しますが、どうしても円錐の頂点を押さえることになるのと、周辺部でのレンズの当たりが強く、装用感が良くないので難しい処方になります。

当院ではまずその周辺部の当たりを取るため、シードスーバーHiO2のGold仕上げレンズを使用しています。周辺の浮きが大きく作ってあり、その部分の当たりを和らげます。ベースカーブや直径も重要ですが、そこは熟練の技で(笑)トライアンドエラーで処方を詰めていきます。他院よりはそれでもずっと早く最適レンズに到達できると思います。

それでも装用感と視力が不満であれば、RoseKレンズを使用しています。ニュージーランドのローズ先生が一生を捧げて作られた非球面レンズで、円錐頂点が当たるレンズ内面がえぐってあり、それによりうまくフィットする方には良好な結果が得られます。

それでも駄目な場合は、サンコンタクトレンズ社製のカスタムレンズが適応になるでしょう。私が阪大の円錐角膜外来で使用していたレンズですが、我々が「研磨師」と呼ぶ専門家が、レンズ周辺を一つ一つ手作業で削って作り上げます。当院ではここまでは行っていないので、それのできる大阪大学医学部附属病院、多根記念眼科病院、大手前病院、京都府立医科大学附属病院に紹介させていただいています。

円錐角膜レンズで日本一なのは、お友達でもある東京渋谷道玄坂の糸井素純先生ですので、ご希望なら紹介させていただきます。そこでのレンズでも装用できなければ、角膜移植の適応となるでしょう。

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