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老眼とコンタクトレンズ

[2005.08.18]
コンタクトレンズを使用している方が、45才前後になってくると、「遠くは見えるんですけど、近くがつらくなってきました」と言われることが多くなります。これは老眼(老視)が起こってきているためです。コンタクトレンズで近視、遠視や乱視を矯正すると、見かけ上正視(近視や遠視のない目)になります。
正視だと、近くのものを見るときは、そのままではピントが合わないのですが、目の中の毛様体という筋肉を収縮させて水晶体の厚みを増すと、屈折力が上がり近くのものにピントが合います。これを調節と呼ぶのですが、調節力は年齢により水晶体が硬くなるとだんだん落ちてきます。45才前後でちょうど最大に調節しても30cm前後までしかピントが合わなくなり、55才で70cm~1m、65才で全く近くにピントが合わない(無限遠にしかピントが合わない)ようになります。そうなると老視は完成し、それ以上は進みません。
こうなると、ピントが合わない分だけ、外から凸レンズを補って屈折力をあげなければなりません。正視では凸レンズですが、中等度以上の近視では元から強い凹レンズを使っているため、打ち消し合って弱い凹レンズが必要になります。元から裸眼で30cmあたりが見える軽度近視だと、裸眼でちょうど近くが見えて老眼鏡が要らないこともあります。私はこれを「便利な近視」と呼んでいます。
このように考えてくると、近視でコンタクトレンズをしている人が老視になってくるとややこしいことになりそうなのは想像がつくと思います。そのままでは近くは見えないので、様々な方法があり得ます。
1)コンタクトレンズの上から近くを見るときだけ老眼鏡をかける
2)コンタクトレンズを弱めに処方して、遠方を犠牲にして近くをみやすくする
3)遠近両用のコンタクトレンズ(ハード系、ソフト系両方あり)を使う
4)片眼を遠くに(近視を強く)、もう片眼を近く(近視を弱く)に合わせる(モノビジョン)
5)コンタクトレンズをやめて、眼鏡(遠近両用など)にしてしまう
色々な方法があります。主治医にご相談下さい。
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