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コンタクトレンズはいつまで出来る?

[2005.08.11]
当院のように、40年以上コンタクトレンズの専門医としてやってくると、初期から通ってこられる人たちはすでに50~60歳代になってきています。このようになっても、コンタクトレンズを続けて使用することはできるのですが、そこまでには色々な合併症があり、だんだんと使用をつづけることが出来なくなります。そのパターンを年代別に見ると
1)アレルギー性結膜炎が出て、痒みやレンズの汚れが強くなり、通常型ソフトコンタクトレンズ・ハードコンタクトレンズから2週間交換ソフトコンタクトレンズ、そして毎日使い捨てソフトコンタクトレンズに変更していくが、ついには使用出来なくなる。(開始後数年~10年に多い)
2)女性の場合、結婚、妊娠、出産などを契機に、取り扱いの面倒な通常型ソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズがイヤになったり、美容的要因が少なくなり、中止してしまう(30歳代)
3)ドライアイが年々強くなる。年齢により涙液分泌量は減少するので、だんだんつらくなり、その上にパソコン作業が多くなると瞬きが減るので、よけいに乾燥する。そのため眼鏡との併用を強いられ、コンタクトレンズを中止してゆく(35~50歳代に多い)
4)老眼が出てきて、コンタクトレンズの上から老眼を掛けたり、遠近両用コンタクトレンズの使用が面倒くさくなる。また、裸眼で見ると近くがよく見えるためコンタクトレンズが却って邪魔になり、眼鏡に移行してしまう(45~50歳代に多い)
5)白内障が進行し、白内障手術を受ける。その際に眼内レンズの度数を調整してやると、コンタクトレンズなしでも遠方が見える(正視に合わせた場合)もしくは手元の新聞などがそのまま見える(弱い近視に合わせた場合)ようになるので、コンタクトレンズから足を洗ってしまうことができるようになる。(60~70歳代)
これらの要因がなくて、快調に使用を続けることが出来る方もおられますが、最終的には白内障手術をしてあげて、「もうコンタクトレンズは卒業しましょうね」と言ってあげられるのは、主治医としてはけっこう嬉しい事なのです。当院の白内障手術の患者様のうち、15%位はそのような強度近視のコンタクトレンズから「足を洗う」方です。非常に喜ばれて、「コンタクトレンズも何もしないでも、朝起きたら壁の時計が見えた!」と泣いて喜ばれたことも経験しました。ただし、強度近視の方の白内障手術は、術後の網膜剥離の頻度が1~5%(通常の方は0.3%)程度あると言われているので、適応は慎重に決めなければなりません。
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