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アカントアメーバ角膜炎のアウトブレイク

[2008.07.17]
この2年ほど、アカントアメーバという土壌にいる原虫による角膜炎が多発しています。当施設では経験していないのですが、全国の角膜移植を行っている病院にこの2年での入院治療を必要とする角膜感染症の原因をアンケート調査したところ、非常に多数のアカントアメーバ角膜炎が発生している事が判明しました。ほとんど全員がコンタクトレンズユーザーで若年の30歳までの方です。コンタクトレンズ学会で知り合いの専門家の何人かと話をしたのですが、いわゆる「アウトブレイク」(感染症が爆発的に拡散する事)と言ってよい状態のようです。
アカントアメーバ角膜炎は、一度起こると難治で、永久的な視力低下を残す事の多い疾患です。以前はソフィーナという非含水ソフトレンズを水道水で保存する場合に多発したのですが、現在はほとんどが2週間定期交換型ソフトコンタクトレンズ装用者に起こっており、レンズケアがしっかりなされないことがその原因ではないかと考えられています。
当院ではレンズを外したあとのMPS(多目的用剤)によるこすり洗いと、レンズを入れる前後のMPSによるすすぎ洗いを強調してきましたが、今後はそれに加えて、レンズを装着後はケースは水洗いをして乾かし、すぐMPSは入れないでおくことが重要と考えています。ケアを怠れば、角膜感染症は避けられません。ユーザーの方は油断することなく、常に最適なケアを行って下さい。少しでも面倒を感じられるような方は、トラブルを起こす前に毎日使い捨て型ソフトコンタクトレンズへの変更を考えていただきたいと思います。
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