メニュー

再発性角膜上皮びらん

[2009.02.17]
再発性角膜上皮びらん
この病名ご存知ですか?ほとんどの人は知らないと思うのですが、いったんなってしまうと何度もくりかえし、角膜上皮(くろめのかわ)が何度も誘因なく突然めくれてしまい、激痛で悩まされる病気です。
この病気にはいくつかのキーワードがあり、診断は比較的簡単ですが、治療は一筋縄にはいきません。
キーワード:過去、「角膜になんらかの原因でキズができたことがある」、「朝方に突発的な痛みで目がさめる」の2つです。あとは、写真(図1)で供覧するような、先天的な「角膜ジストロフィー」を有する人にも多い病気です。
キズができる原因は様々で、「木の枝でついちゃった」「抱っこしている赤ちゃんの爪がお母さんの目に入っちゃった」「紙が目に入ってキズができちゃった」などです。
角膜上皮の再生を待ち抗生剤の点眼や眼軟膏を使用し、終日眼帯をすることが一般的です。しかし治癒までに長期間を要すること。また治るまでにも数回キズが再発してしまい、痛みが強く精神的にもかなりの苦痛を伴うことがあります。
キズの範囲が広い場合、また上皮がさかむけ状になっている場合は、一度浮いている上皮をめくって(掻爬(そうは))しまう方が再生が早いようです。また疼痛予防と角膜の眼瞼からの物理的な刺激を予防するために、連続装用可能なソフトコンタクトレンズを使います。当院では、連続装用可能タイプのアキュビュー、O2オプティクスなどを使っています。この方法で多くの方の痛みが緩和され楽になったといわれます。なかなか治りにくい方がおられましたら一度ご相談下さい。
ただし、ソフトコンタクトレンズを使った治療方法は、再発予防になるわけではなく、症状がおこっている場合の対症療法にしかすぎません。
なお、ソフトコンタクトレンズによるこの治療法は、糸状角膜炎といった別の病気にも使用することがあります。
図1

図2

突然、瞳の下側に深いキズができてしまい、角膜の浮腫(むくみ)と強い充血をおこしています。
図3

フルオレセインという薬液で染色すると、角膜の欠損部(キズ)の範囲がよくわかります。
図4,5


別の患者さんです。不正な上皮欠損部をめくってしまい、ソフトコンタクトレンズで保護しました。そこで痛みはだいぶ楽になりました。
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME