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朝日新聞記事 パート1「老眼を調べてみました」

[2005.12.22]
2004年11月9日に、朝日新聞 生活欄「元気」のコラムに掲載されました。近視・遠視・老眼が簡単に解説してあって、いいコラムだと思うので再掲しておきます。
先日、通勤電車の中で本を読もうとしたとき。無意識のうちに、本を持った右手を顔から遠ざけようとしていることに気づきました。「もしかして、老眼?」私は今年42歳。老眼の兆候が出て来てもおかしくない年齢だといいます。さっそく、眼科医院を訪ねてみました。(和田公一)
「老眼を調べてみました」
私は強度の近視だ。眼鏡を外すと新聞の見出しぐらいの文字も、15センチほどに近づけないとはっきりと見えない。
「近視は老眼になりにくいと聞いて来たのですが」
そんな質問に、大阪・心斎橋のイワサキ眼科医院院長、岩崎直樹さん(44)は「違うんです。眼鏡やコンタクトレンズを使っている限り、40歳を過ぎる頃には誰でも同じように近くが見えにくくなります」。岩崎さん自身、遠近両用の眼鏡にしたばかりだという。「近くを見るのが楽になりました。やせ我慢はいけませんね。」と笑った。
老眼の話の前に、まず目の働きと近視、遠視について説明してもらった。角膜と水晶体はカメラのレンズの役割を果たし、目に入った光を屈折させて網膜に焦点を合わせる。遠くを見る時には自然に焦点が合うが、近くを見る時には水晶体を厚くして屈折力を高め、網膜にピントを合わせる(図1)。
だが、角膜や水晶体の屈折力が強すぎたり眼球が前後に長くなったりすると、遠くからの光は網膜の手前で焦点を結び、水晶体の調節が利かずに見えづらくなる。一方、近くは水晶体の調節で焦点を合わせる事ができる。これが近視の状態だ(図2)。逆に、角膜や水晶体の屈折力が弱かったり、眼球が前後に短くなったりして、遠くからの光が網膜の後ろで焦点を結んでしまうのが遠視。遠くを見る時にも水晶体の調節が必要になる(図3)。近視の人より目に負担がかかり、眼精疲労を起こしやすい。
これに対して老眼は、年をとって水晶体が弾力を失い、近くを見るのに必要な調節力が失われた状態だ。「だから正常な人も近視でも遠視でも老眼になるんです」と岩崎さん。ただ、近視の人はもともと裸眼で見える範囲が近くに寄っているため、老眼になっても程度が軽いうちは眼鏡を外せばいいだけだ。
老眼の矯正は、この10年で大きく変わった。遠近両用に加え、ハードにソフト、使い捨て型も含めてコンタクトレンズが普及したからだ。
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